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2019-09

フリルのズロース - 2013.10.04 Fri

先日、私の実家に一人帰省した時のこと。母が、こぐまに金をやりたいといった。税金のかからないギリギリの額を毎年贈るという。
「あーはいはい。そりゃどうもありがとう。」
私は、ぶっきらぼうに礼を言った。
就職した頃からずっと、私は、親に金なんかもらうものか、と、半ば意地のようにそう心に決めていた。自分が親から自立していることを親に認めてもらいたいという気持ち。若い頃はそんな気持ちで一杯だった。こんな歳になってもなお、どこかにそんな気持ちを持っているのだろう。



今朝、車に乗って通勤途中、ふと帰省した時のことを思い出した。あんとき、もっと素直な言葉を返しておけばよかったなあと少し反省した。
そのことがきっかけになって、職場に着くまでの30分の間、私は、子供の頃のことを思い出していた。




子供の頃、貧乏だった。
いや、その頃は、皆似たり寄ったりだったのかもしれない。私の両親は共稼ぎだったが、それでもかなり家計を切り詰めて生活していたことがあった。その頃のことを思い出した。


給料日前になると、母が個人営業の八百屋に行って「ツケ」で野菜を買っていた。
一緒についていった私は、店の主人にペコペコ頭を下げてほうれん草を1把だけツケで買っている母を悲しく思った。

三角定規を買ってもらわなければならないのに、
家に金がないことを知っていたから、言い出せなかったこともある。

こっそり母の財布から金を抜き取ろうとした。
家族の目を盗んで母のハンドバッグの財布を開けると、そこには紙幣はなく、硬貨ばかりが入っていた。いくらだったか覚えていないが、硬貨を1枚くすねた。次の朝、文房具屋で定規を買った。ずっしりとした罪悪感が私にのしかかる。




服を買ってもらうなんてこと、ほとんどなかった。
一番惨めだったのが、3つ年上の「姉のお下がり」を着させられていたことだ。

下着なんて外から見えないから、2日に1回は姉のお下がりの「ズロース」だった。しかもフリルの付いた、見るからに女の子のパンツ。


ある日、体重測定があることを忘れて、私は、フリル付きのズロースを穿いて学校に来てしまった。
「はっ、今日は体重測定だった・・・。」
全員パンツ1枚になって体重計に乗らなければならない。
体重測定の時間は刻一刻近づいてくるが、どう乗り切っていいものか考えが浮かばない。とうとう体重測定の時間になり、クラスで並んで保健室に行った。
「どうしよう。どうしよう。」
服を脱いだら、周りに笑われ、冷やかされるのは目に見えている。

保健室で皆一斉に服を脱ぎ始める。
私一人が、どうしても、どうしても服が脱げない。
級友は、パンツ一丁になって次々体重計に乗っている。
私が途方に暮れ、立ち尽くしていると、担任の先生が不審に思って、
「〇〇君(私の苗字)、なんで服を脱がないの! 早くせんと!」とせかした。
私は、とっさに、
「か、風邪を引いてるんです。」

「ちょっとの時間だから、大丈夫。」
担任の先生は、なおも私にパンツ一丁になるよう促したが、それでも私は立ち尽くしていた。

担任の先生は、それはそれは厳しく怖い女の先生だったが、
私の様子を見て、何かを感じたのだろう、
なぜかその時は、それ以上私に服を脱げとは言わなかった。
急に穏やかな顔になって、
「それじゃあ、今度、元気な時にね。」と言って、そのまま私を教室に帰してくれた。


こんな話を冗談交じりに誰かに話すと、たいてい笑われるか、「きもい」と言われるか。


もうこの年になったら私にとっても笑い話ではあるが、やはり少し胸がしめつけられる。



一人で車を運転しているようなときは特に。
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● COMMENT ●

たけさん、今晩は☆

私も同じような、いいえ、もっと苦しい生活を
強いられてきたので、とてもたけさんの気持ちが
分かるような気がします。継母のもとで・・・。

その時があって、今のたけさんが
いらっしゃるのですよね。

幸せは、日々、心に留めておかないと
何事もなかったっように
通り過ぎて行ってしまうような気がしますね。

さくらさん

おはようございます。今日は休日。朝からのんびりブログを見ています。
コメント、ありがとうございました。さくらさん、ご苦労されたのですね。きっと、私には想像できないほどのことがあったのでしょうね。
私は、貧乏とはいっても、それはごく一時的なこと(4,5年間)で、給食費が払えない、とか、多額の借金をしている、とかいうほどの貧乏ではなかったので。ただ、他の家の子が普通に持っているものを私だけ持ってないっていうことはよくありました。

お金がない頃は、毎日のように夫婦喧嘩がありました。夫婦喧嘩とはいっても、いつも父が怒鳴り、母がじっとそれに耐えている、みたいな感じでしたが。
父も母も、生活することに必死だった。そんな様子でした。


私達の親の世代は、本当に逞しい世代だと思います。
戦中戦後の苦しい時代を乗り切って、日本を復興させ、発展させた世代。
私達は、もっともっとこの世代の人々に感謝しなければならないような気がします。

   話がそれちゃったかな?  たけ


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 還暦が徐々に近づくお年頃。カメラを持ってお散歩するのが大好き!特に、鳥の写真が好きです。あ、最近ギターなども。


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こぐま(娘)
 花のJD(女子大生)。TEAMたけのムードメーカー。只今一人暮らし中。


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たった3人のチーム(家族)。だから、助け合って、支え合って生きていく。

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