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2011-02

「絵を描く」と「絵を書く」 - 2011.02.20 Sun

(お母さん、先に謝っときます。でも、書かずにはいられないのだ。)
私は、絵を描いたり、落書きしたり、そんなことが好きである。私の血を引き継いだ(?)こぐまもまた然り。だが、我が家で妻だけは絵を描くことが苦手だと言う。絵を描いてといわれると、とたんにどんよりした気分にさえなると言うのだ。
絵を描くのが苦手、或いは嫌いだという人は多い。
私は、その感覚がよく分からないでいた。でも、絵が苦手だという妻が、どうして苦手なのかが分かったような気がする。

それは・・・。


昨日の夕食の時のこと。
「富岳三十六景:神奈川沖浪裏」の話になった。そこから、だんだんと話が進んで、絵が苦手だったり得意だったりするのはなぜだろうというような話題になった。当然私は、「ヘタでもいいじゃん。恥ずかしかったら誰にも見せなければいい。そのうちに好きになるかもしれないし。」と主張した。
すると妻、
「うん。確かにお父さんと結婚してから、絵っていうか、マンガっていうか、そういうの描くのに抵抗がなくなってきた。」と言う。以前「馬」の絵を鉛筆で描いてもらったことがある。そして、先日「ペリカン」の絵を描いてもらったこともある。それを思い出した。
決して上手くはないのだけれど、楽しみながら描いていた。彼女にとって、それは大きな進歩だと思う。

で、それからいろんな話をする中で、私やこぐまと妻との、絵を描くときの決定的な思考の違いに気付いたのだ。

私(たぶんこぐまも=絵を描くことに抵抗のない人)は、例えば馬を描くときは、大まかな形が頭に浮かぶ。或いは人によっては、細部から描く人もあるだろうが、どちらにしても映像として脳裏に馬の姿を描いてそれを写そうとするわけだ。(あ、これは、写生ではなく、想起して描く場合のことだ。)もちろん始めから正確な形が描けるわけではない。描けないことだってある。だが、鉛筆で描いては消し描いては消ししながら、脳裏に浮かぶ「馬」の姿に少しでも近づけようとしていくわけだ。或いは、図鑑や実物を見て描く場合も、馬の姿は、あくまで「映像」として処理されるのだ。

一方、妻が絵に対してアプローチする、その頭の中の動きは実に面白い。
馬を描こうとすると、まず頭に浮かぶのは、「馬は歯だ。」という事実。だから、歯を描く。それも、裏側に隠れて見えない歯まで描こうとする。次に「馬と言えばタテガミだ。」という事実を描く。そうやって、「馬は首が長い。」「馬は脚が節くれだっている。」と、順に描いていくのだ。
上手く言い表せないが、妻にとって、「馬」の絵は、目や口や鼻や首、そういった「記号化」された部品の集合体なのである。絵とは記号なのである。妻にも馬の姿は、私と同じように頭に浮かぶはずだ。その姿は、たぶん私がイメージする馬の姿とそれほど変わらないであろう。ただ、そのイメージの取り出し方が違うのだと思った。妻は、映像として引き出しから引っ張り出すのではなく、「記号」として馬の姿を引っ張り出していたのだ。
こぐまが、「お母さんは、絵を『描く』のではなく、絵を『書く』になってるんだね。」と言った。だから、例えば「うりちゃん」の絵を描くと、それをどこで描いてもまったく同じ形で描ける。ちょうど、文字を書くときの筆跡が、どこで書いても同じように。また、例えば馬を頭から描いていて、紙が足りなくて脚が描きにくくなっても、無理矢理、脚を曲げてでも紙の中に描く。妻にとっては、「脚が4本あってこその馬」なのである。それは、ちょうど、画数の多い漢字を一画も間違えずに書こうとするのに似ている。つまり、妻は、字を書くように絵という記号を「書いて」いたのだ。

妻に「タコ」の絵を描かせたら、間違いなく足を8本描くだろう。それを妻に確かめると、「もちろん! 足は8本描かなくちゃ、タコとはいえんじゃろ?」と答えた。だが、現実のタコは、いつも見る者に全ての足を見せているわけではない。他の足の陰に隠れて、全部は見えないこともあるはずなのだ。私にとって、タコは「タコらしく見えるかどうか」が問題なのであって、タコらしく見えれば、足が9本になっても「タコ」なのである。逆に、妻はあくまで「足が8本あってこその『タコ』」なのである。

妻を馬鹿にして、或いは、絵が苦手だという人を馬鹿にしてここまで書いてきたわけではない。そうではなくて、ここに、イメージを表現する時の人間の思考?の特性の違いが垣間見えるのではないかと思われるのである。乱暴な言い方をすれば、「論理的に思考する人」と「情緒的に思考する人」との違いと言っていいのかもしれない。そして、妻は前者で、私は間違いなく後者である。

妻は、私とは逆に物事を論理的に思考することが得意である。それがやはり絵を描くときにも現れるのかと思う。だが、そういう絵もあながち悪いとはいえないのではないか。例えば、セザンヌの絵、キュビズムの絵画、現代絵画も、論理的思考がなければ描けないはずである。決して感覚や発想だけで描かれたものではないのだから。

ならば、なぜ妻は、これまでの人生で、絵が苦手だという強いコンプレックスを植えつけられてきたのか。
その背景にあるのは、日本の美術教育・・・かな・・・? 或いは日本人の国民性みたいなものかな、と思う。

私からすれば、絵なんて上手くても下手でも大してどうでもいいのである。論理的な思考ができる妻の方がよほど立派で、羨ましい限りなのだ。自分を表現する手段を持ってさえいれば、それが絵でなくてもいいわけで、なぜそんなにコンプレックスを抱く必要があるのかと感じるのであるが・・・。


まあ、それは今度考えてみよう。



さて、仕事仕事・・・。
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